Lesson 3-2「うま味」の正体をマスター①

Lesson 3-1 で、「うま味」が味覚の基本「五味」の1つとして認められたことを学びました。ここでは、これらのうま味成分について詳しく学んでいきましょう。

 

グルタミン酸

うま味とはアミノ酸

たんぱく質を形成するのは、アミノ酸という物質です。ですから生物が生きていくためには、アミノ酸が必要不可欠となります。多くの生物は、必要なアミノ酸を体内で合成することができ、人間もそれは同じです。しかし、中には必要であるにもかかわらず体内で合成することができないアミノ酸もあります。前者を非必須アミノ酸、後者を必須アミノ酸と呼びます。

うま味成分の代表格 グルタミン酸

うま味成分であるグルタミン酸は、非必須アミノ酸に分類されます。グルタミン酸は、植物に多く含まれるといわれますが、この成分を最も多く含むのは、昆布です。その他には、味噌やしょうゆ、貝類、緑茶にも多く含まれています。

またいわゆる「味の素」などに代表される化学調味料(うま味調味料)は、このグルタミン酸です。簡単に済ませたいときや忙しいときなどには便利ですね。

しかし、昆布からのぼる磯の香りはまた格別です。また昆布に含まれるヨウ素などの栄養素についても考えれば、スープを作る際にはやはり手間ひまかけてしっかりと昆布から出汁をとりたいものです。

kps123/Shutterstock.com

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チーズのうま味の秘密

チーズに含まれるうま味成分も、グルタミン酸です。
チーズのうま味は、乳酸菌の増殖によって生成される酵素が働いて作り出すものです。じっくりと熟成させて作るパルメザンチーズなどには、昆布に匹敵するグルタミン酸が含まれます。

オニオングラタンスープなどには欠かせない素材です。

baibaz /Shutterstock.com

うま味つながりでチーズ知識を深めてもおもしろいですね/baibaz /Shutterstock.com

 

アスパラギン酸

 Kati Molin/Shutterstock.com

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アスパラギン酸も非必須アミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されたためこのような名前がつけられました。と言われると、アスパラガスに多く含まれているような気がしますが、他の食品と比較すると含有量は多くなく、大豆や大豆製品などの豆類や、肉類などに多く含まれています。

アスパラギン酸のはたらき

  • 運動時の持久力を向上させる働き
  • 尿の排出を促進するはたらき
  • 丈夫な体をつくる働き

アスパラギン酸は窒素代謝、エネルギー代謝に関与し、疲労回復に働きかけます。スポーツ選手がアスパラギン酸を摂取するとスタミナを向上させることが研究により分かっていて、スタミナ強化のためのドリンク剤にもこのアスパラギン酸は使用されています。

また、尿の合成を促進する作用があります。尿として排泄されるアンモニアは、体内で循環系に入ると毒性を発揮しますが、アスパラギン酸はこのアンモニアを体外に排除し、中枢神経系を守るのを助けるはたらきをするのです。

さらに、筋肉や内臓のもととなるたんぱく質の合成に使われるほか、カルシウムやカリウムといったミネラルを全身に運ぶ役割を持っています。

疲れた日の夕食は、たっぷりの野菜に豆とお肉を煮込んだスープはぴったりですね。

 

■Lesson 3-2 まとめ■

  • グルタミン酸は、植物に多く含まれるといわれるが、この成分を最も多く含むのは、昆布である。
  • いわゆる「味の素」などに代表される化学調味料(うま味調味料)は、このグルタミン酸である。
  • チーズに含まれるうま味成分も、グルタミン酸である。
  • トマトには、グルタミン酸に加え、同じアミノ酸系のアスパラギン酸といううま味成分もたっぷりと含まれている。