日本料理では昆布とカツオで、中華では鶏ガラと長ネギ、洋風では牛すね肉とタマネギといったように、世界中の「出汁」は単一の素材もさることながら、複数の素材から出汁をとり、これを混ぜ合わせて利用するレシピがたくさんあります。
このように複数の素材から出汁をとると、うま味が強く感じられるようになる、つまり「よりおいしくなる」ためです。これを「うま味の相乗効果」といいます。
うま味の相乗効果
アミノ酸系のグルタミン酸と、核酸系のイノシン酸やグアニル酸とを混ぜ合わせると、うま味が強化されます。たとえば、グルタミン酸とイノシン酸を1:1の割合で配合すると、うま味はグルタミン酸単独の場合に比べて、7.5倍に増強されます。
グルタミン酸とグアニル酸の場合には、なんと約30倍にも跳ね上がります。
和の出汁での相乗効果
これを素材で見ていきましょう。昆布(グルタミン酸)とかつおぶし(イノシン酸)とで出汁をとれば、味を7倍以上も良くすることになります。また、昆布(グルタミン酸)と干しシイタケ(グアニル酸)の出汁にすると、30倍もおいしくなるのです。
洋の出汁での相乗効果
洋の出汁でも、この相乗効果の考え方はもちろん用いられています。洋の出汁の代表とも言えるブイヨンやフォンは、玉ねぎやセロリ、人参などのグルタミン酸と、牛や豚、鶏などのイノシン酸を組み合わせることで相乗効果を生み出しています。
中華の出汁での相乗効果
また食の大国中国の中華料理にも、もちろんこの組み合わせは活用されており、長ネギや生姜などのグルタミン酸と鶏や帆立貝柱などのイノシン酸が、深いうま味を作り出します。
洋の東西を問わず、丁寧にさまざまな素材から出汁をとった料理がおいしいのは、このように科学的にも証明されるというわけです。
うま味の相乗効果活用表
うま味の相乗効果について知識を得たら、まずは実践してみましょう。カタカナばかりで覚えるのは少し根気が必要ですが、大切なのは用語を暗記することよりもあなたに力が付いていくことです。実際に作って美味しいスープが食べられると思えば、楽しい学習に変わります。
いつも何気なく作っているお味噌汁やスープの食材を改めて見直して、組み合わせを意識してみる、そして味付けをする前に一度うま味を感じてみる。
そういった日々の少しずつの行動が、スープソムリエとしての感覚を磨き、専門家へと一歩近づいていくのです。
スープソムリエを目指すあなたに、うま味の相乗効果対応表をプレゼントします。スープを作るときには、ぜひこのうま味の相乗効果についても考えながら、丁寧にうまみを引き出してください。
■Lesson 3-4 まとめ■
- 複数の素材から出汁をとると、うま味が強く感じられるようになる、つまり「よりおいしくなる」。これを「うま味の相乗効果」という。
- アミノ酸系のグルタミン酸と、核酸系のイノシン酸やグアニル酸とを混ぜ合わせると、うま味が強化される。日本の出汁では、昆布(グルタミン酸)とかつおぶし(イノシン酸)、昆布(グルタミン酸)と干しシイタケ(グアニル酸)などの組み合わせとなる。



