Lesson1-3 西洋のスープは「食べるもの」?

スープは、それぞれの地域ごとにさまざまな展開を遂げてきました。現在では、世界中に実に多種多様なスープが存在し、これを分類することは容易ではありません。

一般的にはコンソメスープなどの「澄んだスープ」ポタージュなどの「濃いスープ」とに分けることが多いのですが、ここでは西のスープ東のスープとに分けて、スープが食文化の中でどのように変化してきたのかを、比較しながらみていきましょう。

西を麦の畑作文化、東を米の稲作文化にわけてみます。すると、ある特徴が見えてきます。

RTimages/Shutterstock.com

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西洋における「スープ」とは

まず西の麦を中心とした畑作文化におけるスープのはじまりは、先に述べたとおり「ポリッジ」と呼ばれる穀物を鍋で煮込んだものでした。やがてパンを浸して食べる「ソップ」となり、ソップから「夕食(supper)」へと展開していきました。

つまり、常にスープは「食べるもの」だったのです。

やがて19世紀に入ると、現在のような「フルコース」のスタイルがロシアで確立されます。
コースの最初がスープであることからわかるように、欧米を中心とした世界では、スープは食事の初めに「食べるもの」とされています。

Kondor83/Shutterstock.com

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確かに、液状の料理であるスープは、消化しやすく胃にも優しいので食事の始まりには適しています。ですから、スープは食事の最中に他の料理とともに食べたりするものではありません。あくまでも、スープは一つの完結した料理であるというわけです。ここが、お味噌汁をご飯と共に食する我々日本の文化と大きく異なる点です。

また、デミタスカップに入れたブイヨンのような場合は例外として、西洋ではスープは「飲む」ものではありません。ですからスープは、食器に直接口をつけるのではなく、一つの「料理」として「食べる物」なのです。そしてあくまでも軽い食事なので、西洋の文化では夕食を中心に食されます

これらが西洋のスープの最も大きな特徴と言えるでしょう。

 

■Lesson1-3 まとめ■

  • 西の麦を中心とした畑作文化におけるスープのはじまりは、先に述べたとおり「ポリッジ」と呼ばれる穀物を鍋で煮込んだものであり、やがてパンを浸して食べる「ソップ」となり、ソップから「夕食(supper)」へと展開していった。つまり、常にスープは「食べるもの」であった。
  • 「食べるもの」であるスープは、食器に直接口を付けるのではなく、「一つの料理として食べるもの」である