スープコラム3・お国自慢 世界のスープ: ふかひれスープの裏側

突然ですが、世界三大スープをあげられますか?実は、「世界三大」といいつつスープは4つあるのです。

4つある世界三大スープ

さて、正解ですが、西から順に

  • ブイヤベース
  • ボルシチ
  • トムヤムクン
  • ふかひれスープ

となります。日本のミソスープが入っていないのはとても残念ですが、どれも確かに甲乙つけがたいスープです。

ブイヤベース・ボルシチ・トムヤムクムは、Lesson4でも詳しく学習しますので、ここではふかひれスープについて学んでみましょう。

 

中華の高級スープ フカヒレ

KPG_Payless/Shutterstock.com

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中華食材のなかでも高級品とされる「ふかひれ」は、実は日本が世界有数の生産地です。

ジンベイザメやウバザメなどのひれは最高級品とされ、「俵物(たわらもの)」と呼ばれて江戸時代からナマコやアワビとともに明や清に輸出されていました。一般的にはヨシキリザメのヒレが使用されることが多く、これは日本では宮城県の気仙沼(けせんぬま)が有数の水揚げをほこります。

しかしこれは実はマグロをとる際に釣れたサメ、つまり網の中に一緒に引っかかったサメを利用したものなのです。

 

世界的な非難と日本のフカヒレ生産

近年は、日本の捕鯨に対する国際的な風当たりが強まっていますが、固体数の減少からサメの水揚げも同様に非難の対象となっています。また、ふかひれを取るためだけにサメを捕獲し、ヒレだけ切り取り残りの身を海にすてるフィニングなどの痛ましい漁法なども、非難されているひとつの要因です。このようなものを実際に目にすると、胸が締め付けられます。

Ethan Daniels/Shutterstock.com

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しかし、気仙沼のフカヒレ生産はあくまでもマグロ延縄漁の際に、網の中に混ざりこんだヨシキリザメが原料となっています。また気仙沼ではフィニングなどの漁法を行わず残った肉も骨も、はんぺんやサプリメントなどの原料として加工して徹底的に利用しています。

「全てを無駄にすることなく使い切る」という文化

鯨もそうですが、日本では「いただいた命」は一切を無駄にすることなく利用するという文化を持っています。そうした文化を世界に向けて発信していくことも、ふかひれを生産するうえでは大切なことと考えられるようになってきています。

今の日本からも少しずつ薄れ始めている感覚であるとも言われていますが、伝統として受け継がれてきた素敵な思想を、改めて考え直してみる必要があるでしょう。

 

ふかふれもどきの登場

ところで、もともと高級食材であるうえに漁獲量も減少してきているので、価格は近年うなぎ上りです。そうしたなかで、やはり登場するのはコピー商品。実は「ふかひれもどき」が存在します。

数百円程度の廉価なものはエイのヒレなどが利用されたり、春雨などでごまかされている場合もあります。また、日本では豚のゼラチンなどをうまく加工して、食感も本物に近い「人工ふかひれ」が作られています。

やはり、本物の天然のふかひれは高級食材。ふかひれスープは気軽に食べられるものではないようですね。