スープコラム6・お国自慢 日本のスープ:日本の夏バテ予防スープ

≪宮崎県 冷や汁≫

bonchan/Shutterstock.com

bonchan/Shutterstock.com

冷や汁は鎌倉時代から記録のある日本の郷土料理で、宮崎県・埼玉県・山形県など日本の各所に同じ名前だけれど異なる中身の料理や、名前は違うけれど中身は類似している料理が存在しています。そのなかでも宮崎県の冷や汁が鎌倉時代の記録にある「鎌倉管領家記録」の冷や汁に一番近いものとされています。

単なる「冷めたい味噌汁」にように見える冷や汁ですが、宮崎県の郷土料理としての冷や汁は、少し手が込んでいる汁物です。

  1. 素焼きのアジの中骨と頭、それに昆布で出汁をとり、これを冷やしておきます。
  2. 白ゴマを煎ってよく摺り、アジの身とみそを加えたら、さらに摺り混ぜます。
  3. ペースト状になったものをすり鉢の内側に塗りつけ、弱火(炭火)の上に伏せます。
  4. こんがりと焦げてきたところで、これに出汁を注ぎ、伸ばしながら混ぜていきます。
  5. ここにきゅうりの薄切りや大葉の千切りなどを入れて、ご飯や麦飯にかけていただきます。

 

農山漁村の郷土料理百選として「宮崎県の料理」に選ばれている冷や汁は、健康食としてのイメージも高く、食欲の落ちる暑い夏の夏バテ対策としても食べられています。たっぷりのごまに味噌、カリウムがたっぷりのキュウリに麦飯など、栄養価の高い食材がするする食べることができる利点は大きいですね。

単に、お味噌汁を冷やしただけでは味わえないおいしさは、暑い地域の人たちの知恵といえるでしょう。

 

≪沖縄県 ソーキ汁≫

独特の文化を持つ沖縄県は、食文化もとても個性的です。ソーキとは、豚の骨付き肉つまりスペアリブのこと。ですから、ソーキがのった麺がソーキそばで、ソーキが入っている汁がソーキ汁というわけです。

kps123/Shutterstock.com

kps123/Shutterstock.com

ソーキソーキと、昆布、大根などをかつおだしで煮た汁物です。
昆布を使って出汁をとり、大根や冬瓜とともに水からじっくり煮込んでいきます。塩で味付けしますが、ほんの少しお吸い物程度入れるだけですから、意外にあっさりしたスープになります。肉が骨からつるん、と剥がれ落ちるようになるまで煮込むことがポイントです。
材料の下ごしらえなどにはさして手間はかかりませんが、煮込む時間は1時間半~2時間とかなり長いので、楽しい時間を想像しながら気長にのんびりと出来上がりを待ちます。

ソーキ汁は手間も時間もかかるので、実は沖縄でも普段の食卓にあがることは少なく、お盆や正月、お客様が来るときなどに作られるご馳走です。
豚肉は疲労回復の効果がありますので、暑い夏には最適です。