煮干し
カタクチイワシやマイワシの稚魚を塩水で煮て、乾燥させたものです。アジやサンマの煮干しもあります。お味噌汁の出汁にはよく使われますが、上等なお吸い物などの出汁には向きません。上質のもので上手に出汁をとると、かつおぶしに劣らないおいしいものになるのですが、その上質な煮干しを求めるのがなかなか難しいとされます。
上質な煮干しは、小ぶりで背が黒く、全体は青味を帯びた銀色でつやがあるものです。おなかが締まっていて、おなかの方に「へ」の字に曲がっているものがよい煮干しです。
油やけをするので、早く使い切るようにするべきですが、保存するときには頭とワタをとって縦二つに割き、缶などの密封容器に入れ冷蔵庫で保管しましょう。
昆布
奈良時代から利用されているという昆布。産地の中心は北海道です。産地などによって格付けがされます。中には入手が困難な高級品もあります。ここでは、一般に手に入りやすい三種をご紹介しましょう。
羅臼(らうす)昆布
北海道東部の知床半島は、世界遺産にも登録されている豊かな自然が残る地域です。その知床半島南東部に横たわる町が羅臼町。根室海峡の彼方には北方領土の国後島が見えます。そこで生産された羅臼昆布は、昆布の王様と呼ばれる高級品です。肉厚で、香りがよく、柔らかいのが特徴で、昆布の中では最高のコクがでると言われます。
利尻(りしり)昆布
羅臼とは真逆の方向、北海道北西部の利尻島は、円形の島です。中央にそびえる利尻山は、利尻富士と呼ばれる美しい山で、あの北海道のお土産で有名な石屋製菓(株)「白い恋人」のパッケージにもなっています。この島の沿岸でとれる利尻昆布からは、誰でも失敗なくおいしい出汁がとれるといわれます。繊維質が多く、やや固いのですが、クセのない上品で澄んだ味の出汁がとれます。
日高(ひだか)昆布: 北海道南部、日高山脈のふもとにある地域の沿岸で採れます。光に透かして見ると、緑色がかった褐色をしているのが特徴で、もっともポピュラーな昆布です。繊維質が柔らかく、早く煮えるので「早煮昆布」ともいいます。日常の出汁としてはもちろんですが、佃煮や昆布巻などを作るときにも適しています。(注:製品としての「早煮昆布」は一度蒸してあるので加工品です。こちらは出汁をとる素材とは別と考えたほうがよいでしょう。)
昆布は、一般的に肉厚で光沢があり、黒味がかかった飴色で、よく乾燥しているものが良いとされます。湿気を嫌いますので、できるだけ使う分だけ購入するようにしましょう。保存するときには、新聞紙などに包んで冷暗所におきます。冷蔵庫は乾燥しすぎるので、避けたほうがよいとされます。また、昆布を洗うか洗わないかという話をよく聞きますが、どちらでもかまいません。ただ、最近はよごれやほこりはそれほど気にならない製品がほとんどですので、洗う必要は特にないでしょう。気になるようなら、固く絞った濡れ布巾などでさっとぬぐう程度で大丈夫です。
干ししいたけ
干ししいたけは精進料理には欠かせない素材で、「冬菇(どんこ)」と「香信(こうしん)」の2種類があります。
「どんこ」は、肉厚で味や香りも良く、カサは全開していません。表面に網状の割れ目のある「白冬菇」は、高級品として取引されます。
一方の「香信」は、薄くてカサは全開しています。もどりも早く、安価なところも魅力の一つなので、普段使いにはちょうどよいですね。
いずれの場合も、カサは開き過ぎず、軸が短くて裏側が黒ずんでいないものを選んでください。
きのこ類からとる出汁は、なんといっても香りが良いことが特徴。イタリアンやフレンチなどでも、きのこは洗わずに香りがでるまでよく炒めることが大切であるとされています。干ししいたけの出汁を使うときには、この風味を損なわないようにしたいですね。
■Lesson2-4 まとめ
- 煮干しとは、カタクチイワシやマイワシの稚魚を塩水で煮て、乾燥させたものである。アジやサンマの煮干しもある。
- 煮干しからとる出汁は味噌汁によく使われ、上等なお吸い物などには向かない。
- 上質な煮干しは小ぶりで背が黒く、全体は青味を帯びた銀色でつやがあるもの。おなかが締まっていて、おなかの方に「へ」の字に曲がっているものがよい煮干しである。
- 昆布は奈良時代から利用されている。
- 昆布の王様と呼ばれる高級品種、羅臼昆布は肉厚で香りがよく、柔らかいのが特徴で、昆布の中では最高のコクがでると言われている。
- 誰でも失敗なくおいしい出汁がとれるといわれている利尻昆布は繊維質が多く、やや固いのが特徴。クセのない上品で澄んだ味の出汁がとれる。
- もっともポピュラーな昆布、日高昆布は光に透かして見ると、緑色がかった褐色をしているのが特徴である。繊維質が柔らかく、早く煮えるため「早煮昆布」とも呼ばれ、佃煮や昆布巻などを作るときにも適している。
- 昆布は、一般的に肉厚で光沢があり、黒味がかかった飴色で、よく乾燥しているものが良いとされている。
- 精進料理には欠かせない素材干ししいたけには「冬菇(どんこ)」と「香信(こうしん)」の2種類がある。
- 「どんこ」は、肉厚で味や香りも良く、カサは全開していない。
- 「香信」は、薄くてカサは全開している。もどりも早く、安価なため普段使いに向いている。
- 干ししいたけはカサは開き過ぎず、軸が短くて裏側が黒ずんでいないものを選ぶと良い。


