フランス料理でのスープマナー
ここでは、機会があるにもかかわらず、いざその時になると「あれ?」となりがちなフランス料理におけるスープのいただき方を確認しましょう。
基本的なコースの場合、スープは前菜の次に出てきます。2番目か3番目ぐらいですね。
スープ皿に下にもう1枚ある皿、その役割は?
スープは、たいていの場合「平たいお皿の上にやや深めのスープのお皿がのる」というなんだかもったいぶった登場の仕方をします。「豪華な感じを出すために余分に皿を使っているのかしら?」「こぼしても大丈夫なようにするためかしら?」など、不思議に思った事がある方もいらっしゃるでしょう。
実はこれには意味があるのです。
スープをいただいているときに、使用中のスプーンを一時的に置く場所、それが下の平たい皿なのです。スープの中にスプーンを突っ込んだままにしておくのは、マナー違反ですので注意しましょう。
スープは手前からすくうのが正解?奥からが正解?
さて、スプーン使って食べ始めようとしたとき、また疑問が浮かびます。「手前から奥に向かってすくうの?奥から手前にすくうの?」
これに関しては、特にどちらでも問題はありません。手前から向こう側へというすくい方をするのは英国式で、その逆(奥または横からすくう)はフランス式という違いはありますが、違うすくい方をいしたからといって、マナー違反の烙印を押される事はありません。
ただ、フランス料理でスープを頂いている場合は、せっかく知識があるのであれば、フランス式のすくい方をしてもいいですね。
スープはスプーンにどれくらいすくうのが正解?
スープのすくい方が確認できたら、ではいよいよ口に運びましょう。そこで、表面張力の限界にチャレンジ、というぐらいスプーンにたっぷりのスープをすくい、そぉーっと「口を」スプーンにもっていく……。あるいは、口に入る前に途中でぼたぼたこぼれて……という状態になっていたら、これらは大変見苦しい無作法な状態です。
スプーンにすくうスープの量は実は、かなり少なめです。目安としてはスプーンの半分の量よりやや多め、といった程度にします。こうすれば、ぼたぼたとスープがこぼれることはありません。
また、冷製スープではない限りスープは基本的に熱いものです。もちろん、これをフーフー息を吹きかけながら冷ますのは言語道断。スープをすくったら、空間に一呼吸おいて、スープを冷まします。このわずかな時間でアツアツのスープを「あっちっちっ!!」とならないように冷ますためには、スプーンになみなみと受けてしまっては量が多すぎるのです。ですから、口元に運ぶまでの間に冷める程度の量をスプーンに受ける、ということを頭に入れておきましょう。
「スプーンを直角に」で食べる姿がもっと美しく!
さすがに、ずずーっと音を立ててスープを「飲んで」はいけない、ということは日本の食文化のなかにも浸透しましたが、細かいことをいえば、スプーンは自分に直角になるように(つまりフォークのようにスプーンの先から口に入れる)していただきます。そうすると、スマートな食べ方になります。
「口を」スプーンに持っていくと、姿勢も崩れますし美しくありません。食事の際の姿勢にも気を遣いたいですね。またスプーンを皿に入れる際には、カチカチと音をたてないように注意しましょう。
おいしくいただいてスープがスプーンですくえなくなったら、基本的にそこで終了です。ただし、スープ皿の手前か奥を持ち上げて最後の一すくいをいただくのは大丈夫です。ちなみに、手前を持ち上げるのが英国式、奥を持ち上げるのがフランス式です。どちらの場合も、あまり高々と傾けないようにしましょう。
残ったスープをパンにつけるのはOK?
スープを最後まで味わい尽くしたいと思ったときに、残ったスープをパンに浸けてもいいのかどうかを迷ったことはありませんか?
スープの歴史を考えるとそのようにして食べていた時代がありますので、なんとなくOKなのかな?という気もしますね。オニオングラタンスープなどは、まさにパンと一緒にスープをいただきますから、これがもともとの形ならほかのスープもいいのでは?という気がします。
ですが、これは少なくともコースのお料理をいただくうえでは、たいへんお行儀の悪いこととなりますので注意してください。どうしてもというときには、スープの中にパンを入れ、それをスプーンですくっていただくのはかまわないようです。
もったいないなあと、つい考えてしまうのは日本人の美徳ではありますが、スープに関しては少しお皿に残っていてもかまいません。
スプーンをお皿の中に入れたまま、自分と平行(もしくは斜め)になるように置けば「食べ終わりました」のサインとなります。
なお、デミタスカップのような持ち手がついているカップに入っているスープは、直接口につけてかまいません。小さなスプーンがついてきますが、それは具をいただくときに使用します。
■Lesson 7-2 まとめ■
- フランス料理などで、スープ皿がのっている平たい皿は一時的にスプーンを置くための皿である。
- スープのすくい方は、手前から向こう側へというすくい方をするのは英国式で、その逆(奥または横からすくう)はフランス式という程度で、どちらでも問題はない。
- スプーンにはたくさんすくわず、口元に運ぶまでの間に冷める程度の量をスプーンに受けるをスプーンに受ける
- おいしくいただいてスープがスプーンですくえなくなったら、そこで終了。残ったスープをパンに浸けることは、基本的にはしない。

