体を温めてくれるだけではなく、みんなで食べると元気が出てくる日本の偉大なスープ。それが豚汁です。地域はもちろん、家庭ごとに具も味も異なる懐かしいおふくろの味ですね。
豚汁
冬にたくさんの人が集まるようなイベントでは、豚汁がふるまわれることも多いですし、災害においても避難所では炊き出しの主役となります。いろいろな場で大活躍する豚汁ですが、なぜこれほどまでに日本人は豚汁を好むのでしょうか。
寒い時期に食べたくなる豚汁の秘密
野菜がたっぷり入った具だくさんの汁物なので、栄養価が高いことはもちろんなのですが、豚汁の素材には体を温める効果のあるものが多く使われていることもその理由の一つでしょう。
具となるゴボウや大根、ニンジンといった根菜類や味噌が体を温める効果があるのは広く知られていることですね。それに加え、汁の表面に浮く「豚の脂」が汁を冷めにくくする効果があります。立派な薬膳、と言っても過言ではありません。
豚汁のうま味を引き出す出汁を覚えていますか?
Lesson2-8のお肉の出汁で、豚肉のうま味と相乗効果をもたらす出汁を学びましたが、おぼえているでしょうか。豚肉などの肉から出るうま味成分であるイノシン酸と相性が良いのは、そう、昆布のグルタミン酸でしたね。豚汁を作る際は、ぜひ昆布で出汁をとってみてください。
またグルタミン酸は基本的に植物性で、一緒に加える根菜類からも抽出されいます。それにより、素晴らしいうま味の相乗効果が得られます。
「ぶた」か「とん」か
これほどまでに大人気の豚汁ですが、実はその由来はよくわかっていません。いつから食べ始めていたのかに関しても、日本人が「豚」を日常的に食べるようになったのは明治時代からだから、おそらくその頃からだろう、という程度です。味噌ラーメンは、豚汁にラーメンを入れたことが始まりという説もあり、大人気であるにもかかわらず謎が多い豚汁です。
そして、このスープをめぐっては、一つの「大論争」があります。それは、「豚汁」は、「ぶたじる」か「とんじる」か、ということです。
どうでもいいと言ってしまえばそこまでですが、実は気になる人は多いようで、ネットなどでもユニークな調査が行われています。どの調査でも、ほぼ全体の70~80%の割合で「とんじる」と呼ぶ人が優位を占めています。これには地域性があり、九州周辺の人たちは「ぶたじる」と呼ぶ方が比較的多いようです。
いろいろな地域の人たちが集まるときには、ぜひ「豚汁」を作って大激論?を交わしてみるのも楽しみの1つですね。
≪材料(2人分)≫
具の大きさはそろえ、火の通りにくいものを先に煮込みましょう。
- 豚コマ肉:100g
- にんじん:1/6本
- さつまいも:1/2本
- れんこん:60g
- こんにゃく:1/4枚
- 油あげ:1/2枚
- 万能ネギ:2~3本
- 水:3カップ
- 味噌:大さじ2
≪作り方≫
- にんじんは薄く半月切りか、いちょう切りにします。油揚げは2cmの角切りに、こんにゃくは幅を2等分にして薄く切ります。
- さつまいもは皮付きのままで1~2cmの厚さ、れんこんは7~8㎜厚さのいちょう切りにします。
- 大きめの鍋に水を煮立て、豚肉を入れます。火を弱めてアクをすくいながら、火を通します。1を入れて、5分ほどしたら2をいれ、さつまいもが柔らかくなるまで煮ます。
- 3に味噌を溶き混ぜて味付けし、1~2cm長さに切った万能ネギを散らします。
■Lesson 5-4 まとめ■
- 豚汁は野菜がたっぷり入った具だくさんの汁物なので、栄養価が高く、具となるゴボウや大根、ニンジンといった根菜類や味噌が体を温める効果がある。
- 汁の表面に浮く「豚の脂」が汁を冷めにくくする効果があるとも言われている。


